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Craft Report
兄弟で取り組む新しい播州織
兵庫県の播州地域で、200年以上も受け継がれる先染め織物の地場産業が「播州織」です。この地域では昔から多くの織物工場が立ち並び、多可郡に位置する「株式会社コンドウファクトリー」も前身の工場から長くこの地で操業しています。

今回取材に応じていただいた代表の近藤 良樹さんは、家業である織物工場の3代目です。高校を卒業後、織物の技術を学ぶために3ヶ月間イタリアで修行した経歴があります。帰国後は家業に入り、2013年に現在のコンドウファクトリーを創設されました。工場には産地内でも珍しいジャカード織機を導入しています。写真も生地に織り上げるような複雑な柄や模様を織ることができ、コンドウファクトリーの製品にはそんな特徴があります。
左:コンドウファクトリー代表の近藤 良樹さん。右:近藤 誠さん。兄弟でデザイン会議の様子。
左:コンドウファクトリー代表の近藤 良樹さん。右:近藤 誠さん。兄弟でデザイン会議の様子。
播州織の大きな特徴は、先に染められた糸で柄を織る「先染織物」というスタイルで、立体感を出したり、独特な表面変化をもたらすことができます。また、染色の段階で糸の芯まで染料を染み込ませるので、ほとんど色落ちせず長く使うことができるそうです。そんな播州織の風合いを利用して、コンドウファクトリーでは天然のコットン糸を利用した、肌触りの優しいダブルガーゼ生地を扱うのを得意としています。主な商品としてハンカチ・てぬぐいが挙げられます。ダブルガーゼの高い吸水性と速乾性のおかげで、普段持ち歩くハンカチとして気持ちよく使うことができます。
色落ちの強さは、1000回洗っても1~2%の染料しか落ちないそう。
色落ちの強さは、1000回洗っても1~2%の染料しか落ちないそう。
赤ちゃんでも安心して使える優しい素材。意外と男性にも人気があるとのこと。
赤ちゃんでも安心して使える優しい素材。意外と男性にも人気があるとのこと。
播州織×あらゆるデザイン
バックヤードには、これまでデザインしてきたオリジナルの生地が数多く保管されていました。「PARALLEL TONE」というオリジナルのファブリックブランドも展開しており、「つながりをデザインする」をコンセプトに、自然や動物を題材にした様々なテキスタイルを作っています。中でもサメやシカなど可愛らしい動物の柄が比較的人気だそうです。
パターンシリーズ「サメパラダイス」
パターンシリーズ「サメパラダイス」
また自社で販売するアイデア商品を並べた実店舗も併設されていました。これまでストックしてきた多くのデザイン生地が、ハンカチやストール、ポストカードにまで形を変えます。パッケージも誠さんが作っているので、商品の印象とマッチしています。見た目だけでなく商品の機能も自然と伝わるわかりやすさがあり、デザインの効果が商品の良さを引き立てていると納得させられました。
工場に併設されている店舗。色とりどりで可愛らしいデザインの商品が並ぶ。
工場に併設されている店舗。色とりどりで可愛らしいデザインの商品が並ぶ。
やわらかで優しい手触りの手ぬぐい。濡れた時のためのポーチ付きで使い手にとって嬉しい。
やわらかで優しい手触りの手ぬぐい。濡れた時のためのポーチ付きで使い手にとって嬉しい。
豊かな色彩の自然の柄や、動物のパターン柄は小さなお子さんにピッタリ。
豊かな色彩の自然の柄や、動物のパターン柄は小さなお子さんにピッタリ。
新しいものを生み出し続けるためのルール
コンドウファクトリーの最大の強みは、デザイン立案から生地作り、最終製品の製造、パッケージ化、そして広告やHPなどのWebサービスまで一貫して行っているという点。フルオーダーのOEMや、ブランドコンセプトに沿った商品開発に携わることが可能で、BtoBとしても心強さがあります。また、新商品のアイデアが浮かんだら兄弟でお互い気軽に相談でき、様々なサンプル作りにチャレンジできるスピード感も併せ持ちます。

「大手はともかくとして、我々のような規模の事業所なら、このスタイルでやっているのは日本でウチだけかもしれない。お互い厳密には別々の事業をやっているけど、片方が伸びれば、片方も伸びるようになっている」と良樹さんは言います。
これまで兄弟の技術を組み合わせて、様々な商品の製造に取り組んできた。
これまで兄弟の技術を組み合わせて、様々な商品の製造に取り組んできた。
ハンカチ一つにしても、機能性やストーリーを実感させる販促アイテム。
ハンカチ一つにしても、機能性やストーリーを実感させる販促アイテム。
兄弟で自社製作に取り組む際、二人で決めた「3つのルール」があるそうです。それは「新しいこと」「おもしろいこと」「誰かのためになること」この3つの指針を念頭に置いて商品を生み出しているそうです。
その意識の表れとして、商品計画の際はまずデザイン案からスタートして、自分たちのやりたいアイデアを優先して形にしていくそうです。実際に織機で織れるかどうかの技術的な検証は後回しにして、もし壁にぶつかったら引き算すればいい。そうやってやりたいことや、どんな人に使って欲しいかを想像しながら、その時生まれたストーリーを優先する方が、結果的にお客さんに使ってもらいやすい。そんな風に良樹さんは話してくれました。
取材・撮影・文:森下 大喜
コンドウファクトリー
locationPin兵庫県
#織物-播州織
1961年創業、播州織物を製造するコンドウファクトリーでは、兄弟二人三脚で今までにないオリジナルなデザインや生地作り、商品開発まで一貫して行なっています。
Last Updated : 2024/08/01
Representative
近藤 良樹
Established year
1961年
Employees
2
Location
〒677-0121 兵庫県多可郡多可町八千代区中野間789−1
Request Production/Product Development
Each craft manufacturer showcased in "MEIHINCHO" boasts its own distinctive and innovative technology. For those interested in leveraging this craftwork technology for OEM or product development, please don't hesitate to reach out to us.
コンドウファクトリー
locationPin兵庫県
#織物-播州織
1961年創業、播州織物を製造するコンドウファクトリーでは、兄弟二人三脚で今までにないオリジナルなデザインや生地作り、商品開発まで一貫して行なっています。
Last Updated : 2024/08/01
Representative
近藤 良樹
Established year
1961年
Employees
2
Location
〒677-0121 兵庫県多可郡多可町八千代区中野間789−1
Craft Report
兄弟で取り組む新しい播州織
兵庫県の播州地域で、200年以上も受け継がれる先染め織物の地場産業が「播州織」です。この地域では昔から多くの織物工場が立ち並び、多可郡に位置する「株式会社コンドウファクトリー」も前身の工場から長くこの地で操業しています。

今回取材に応じていただいた代表の近藤 良樹さんは、家業である織物工場の3代目です。高校を卒業後、織物の技術を学ぶために3ヶ月間イタリアで修行した経歴があります。帰国後は家業に入り、2013年に現在のコンドウファクトリーを創設されました。工場には産地内でも珍しいジャカード織機を導入しています。写真も生地に織り上げるような複雑な柄や模様を織ることができ、コンドウファクトリーの製品にはそんな特徴があります。
左:コンドウファクトリー代表の近藤 良樹さん。右:近藤 誠さん。兄弟でデザイン会議の様子。
左:コンドウファクトリー代表の近藤 良樹さん。右:近藤 誠さん。兄弟でデザイン会議の様子。
播州織の大きな特徴は、先に染められた糸で柄を織る「先染織物」というスタイルで、立体感を出したり、独特な表面変化をもたらすことができます。また、染色の段階で糸の芯まで染料を染み込ませるので、ほとんど色落ちせず長く使うことができるそうです。そんな播州織の風合いを利用して、コンドウファクトリーでは天然のコットン糸を利用した、肌触りの優しいダブルガーゼ生地を扱うのを得意としています。主な商品としてハンカチ・てぬぐいが挙げられます。ダブルガーゼの高い吸水性と速乾性のおかげで、普段持ち歩くハンカチとして気持ちよく使うことができます。
色落ちの強さは、1000回洗っても1~2%の染料しか落ちないそう。
色落ちの強さは、1000回洗っても1~2%の染料しか落ちないそう。
赤ちゃんでも安心して使える優しい素材。意外と男性にも人気があるとのこと。
赤ちゃんでも安心して使える優しい素材。意外と男性にも人気があるとのこと。
播州織×あらゆるデザイン
バックヤードには、これまでデザインしてきたオリジナルの生地が数多く保管されていました。「PARALLEL TONE」というオリジナルのファブリックブランドも展開しており、「つながりをデザインする」をコンセプトに、自然や動物を題材にした様々なテキスタイルを作っています。中でもサメやシカなど可愛らしい動物の柄が比較的人気だそうです。
パターンシリーズ「サメパラダイス」
パターンシリーズ「サメパラダイス」
また自社で販売するアイデア商品を並べた実店舗も併設されていました。これまでストックしてきた多くのデザイン生地が、ハンカチやストール、ポストカードにまで形を変えます。パッケージも誠さんが作っているので、商品の印象とマッチしています。見た目だけでなく商品の機能も自然と伝わるわかりやすさがあり、デザインの効果が商品の良さを引き立てていると納得させられました。
工場に併設されている店舗。色とりどりで可愛らしいデザインの商品が並ぶ。
工場に併設されている店舗。色とりどりで可愛らしいデザインの商品が並ぶ。
やわらかで優しい手触りの手ぬぐい。濡れた時のためのポーチ付きで使い手にとって嬉しい。
やわらかで優しい手触りの手ぬぐい。濡れた時のためのポーチ付きで使い手にとって嬉しい。
豊かな色彩の自然の柄や、動物のパターン柄は小さなお子さんにピッタリ。
豊かな色彩の自然の柄や、動物のパターン柄は小さなお子さんにピッタリ。
新しいものを生み出し続けるためのルール
コンドウファクトリーの最大の強みは、デザイン立案から生地作り、最終製品の製造、パッケージ化、そして広告やHPなどのWebサービスまで一貫して行っているという点。フルオーダーのOEMや、ブランドコンセプトに沿った商品開発に携わることが可能で、BtoBとしても心強さがあります。また、新商品のアイデアが浮かんだら兄弟でお互い気軽に相談でき、様々なサンプル作りにチャレンジできるスピード感も併せ持ちます。

「大手はともかくとして、我々のような規模の事業所なら、このスタイルでやっているのは日本でウチだけかもしれない。お互い厳密には別々の事業をやっているけど、片方が伸びれば、片方も伸びるようになっている」と良樹さんは言います。
これまで兄弟の技術を組み合わせて、様々な商品の製造に取り組んできた。
これまで兄弟の技術を組み合わせて、様々な商品の製造に取り組んできた。
ハンカチ一つにしても、機能性やストーリーを実感させる販促アイテム。
ハンカチ一つにしても、機能性やストーリーを実感させる販促アイテム。
兄弟で自社製作に取り組む際、二人で決めた「3つのルール」があるそうです。それは「新しいこと」「おもしろいこと」「誰かのためになること」この3つの指針を念頭に置いて商品を生み出しているそうです。
その意識の表れとして、商品計画の際はまずデザイン案からスタートして、自分たちのやりたいアイデアを優先して形にしていくそうです。実際に織機で織れるかどうかの技術的な検証は後回しにして、もし壁にぶつかったら引き算すればいい。そうやってやりたいことや、どんな人に使って欲しいかを想像しながら、その時生まれたストーリーを優先する方が、結果的にお客さんに使ってもらいやすい。そんな風に良樹さんは話してくれました。
取材・撮影・文:森下 大喜
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Each craft manufacturer showcased in "MEIHINCHO" boasts its own distinctive and innovative technology. For those interested in leveraging this craftwork technology for OEM or product development, please don't hesitate to reach out to us.