インテリアとしても美しい、希少な片貼りの京扇子
日本製の扇骨を使用し、京都で作られた扇子は「京扇子」と呼ばれています。その中でも、従来の発想にとどまらない素材選びや製法で、時代に沿った新しい扇子づくりを続けている、株式会社ひしだの「紗月扇 京都」。
和紙を使った紙扇子が一般的ですが、「紗月扇 京都」では布や透け感のある切り絵など多彩な扇子を制作。国内でも数少ない、骨の片側だけに布や紙を貼り付ける片貼り製法により、薄い切り絵を貼り合わせた布から分厚いレザーまで、素材を選ばず多種多様な扇子を作ることができます。そのためほかにはない美しい扇子が多く、インテリアとしても人気を集めています。
紙扇子をつくる際は扇型の型を使用し、形を切り抜いていく。
また、分業によって作られることが多い扇子ですが、株式会社ひしだでは多くの⼯程を自社内で行っており、オリジナル商品の他にもアパレルなど扇子業界外からのOEM商品も数多く製造。父の扇子づくりを見て育った若き3代目は、新しい製法やアイディアを取り入れながら、これまでにない扇子づくりへの挑戦を続けています。
取材:新 拓也 撮影:森下 大喜 文:大西 健斗